当院のむし歯治療の特徴
できるだけ痛みの少ないむし歯治療
「痛みが怖くて歯科医院へ行けない」という方にも安心して治療を受けていただくために、できる限り痛みを抑えたむし歯治療を行います。
できるだけ痛みを抑えるために局所麻酔をしますが、麻酔注射の痛みも軽減させるために、注射する部位に表面麻酔を塗って歯ぐきを痺れさせて痛みを感じにくくします。その上で極細の麻酔針を使用し、電動注射器で麻酔液の注入スピードを一定に保って注射します。さらに麻酔液を体温程度(37℃程度)まで温めておくことで、麻酔液が入る時の刺激や不快感が少なくなります。
できるだけ最小限に削り、天然歯を残すむし歯治療
歯への負担を最小限に抑えて治療するために、検知液(う蝕検知液)を使ってむし歯の染め出しを行います。肉眼では確認することが難しいむし歯の範囲が可視化されるので、必要最小限の量だけを削り、むし歯を治療することが可能になります。
検知液(う蝕検知液)って何?
う蝕検知液はむし歯になっている部分を染め出すことができる薬剤です。う蝕検知液に含まれるプロピレングリコールがむし歯部分を赤く染め出してくれるので、徹底的にむし歯を除去し、不必要な歯の切削を抑え、天然歯を残すことが可能となります。
う蝕検知液術前
う蝕検知液術後
むし歯を除去した後にはメタルフリー治療を採用
むし歯を削った後は、歯を補うために詰め物(インレー)・被せ物(クラウン)を入れます。保険診療では金属(銀歯)やレジン(プラスチック)しか材料が選べませんが、自費診療ではセラミックなど様々な材料からお選びいただけます。
セラミックは金属を一切使用していないメタルフリーの材料で、見た目が自然で美しいだけでなく、金属アレルギーなどのお体への影響がない安心・安全な材料です。
どうして金属を使用しない方が良いのか?
お口の中に銀歯などの金属があると、唾液によって溶けてイオン化したものが体内に蓄積されて、金属アレルギーの原因となる場合があります。また金属イオンにより歯ぐきが黒ずんでしまう場合もあります。
その他、プラーク(バイオフィルム)などの汚れが付きやすい、劣化しやすいので隙間ができ二次カリエス(むし歯の際且つ)を起こしやすいなど、見た目だけではないデメリットもあるのです。
これってむし歯?気になる症状をチェック
- 歯の溝が白っぽくなっている
- 歯の一部が茶褐色になっている
- 冷たいものを口に入れるとしみる
- 強く噛みしめると痛む
- 歯に穴が開いている
このような症状がある場合、むし歯の可能性があります。初期のむし歯の場合、歯を削らずに治療することが可能です。そのまま放置せず、早めにご相談ください。
むし歯の原因~むし歯を早期発見するために~
むし歯になる原因って?
むし歯はミュータンス菌などのむし歯菌、食品の糖分、そして生まれ持った歯の質・唾液の機能が原因でむし歯になります。お口の中にむし歯菌が多く、食べ物の糖分からむし歯菌が酸を生成することで歯の表面が溶かされてむし歯になります。また、歯の質が弱かったり、唾液の分泌量が少なかったりするとむし歯のリスクが高まります。
虫歯を早期発見するにはどうするべき?
歯が痛い、歯がしみるなどの症状がある場合、すでにむし歯は進行しているケースが多いです。むし歯が進行していると、大きく歯を削らなければならなくなり、大掛かりな治療が必要になります。
むし歯を早期発見するには、歯が痛い、歯がしみるといった症状がなかったとしても、定期的に歯科医院へ通院し、お口の中を定期的にチェックしてもらうことが大切です。
「歯が痛くなってから歯医者へ行く」のではなく「歯が痛くなる前に定期的に歯医者へ行く」
ことが当たり前になることを私たちは切に願います。
このようにむし歯にならないように定期検診を受けて予防することが大切です。
むし歯の進行別治療法
CO(初期のむし歯)
歯の表面(エナメル質)が少し溶け始めて、歯が白濁して見えますが、痛みなどの症状はありません。
治療方法
毎日ブラッシングし、歯科医院でフッ素塗布を受けることで歯の再石灰化を促進して改善させることが可能です。
C1(エナメル質のむし歯)
むし歯菌の酸によりエナメル質がさらに溶けた状態です。歯の溝が黒ずんで見えたり、冷たいものがしみたりするようになります。
治療方法
検知液(う蝕検知液)を使ってむし歯部分を染め出し、必要に応じてむし歯部分を削ります。歯を削った部分にはコンポジットレジン(CR)を詰めて治療します。
C2(象牙質のむし歯)
エナメル質の下にある象牙質までむし歯が進行しています。エナメル質と違い、象牙質は痛みを感じる組織であるため、甘いものがしみたり、痛みを感じたりするようになります。
治療方法
むし歯部分を削った後、切削量に応じてコンポジットレジン(CR)または詰め物(インレー)で治療します。
C3(神経のむし歯)
歯の神経(歯髄)までむし歯が到達した状態で、ものを噛んだりしなくてもズキズキと痛むようになります。
治療方法
むし歯菌に汚染された神経を取り除く治療(根管治療)が必要です。治療のために大きく削った歯を補うために、被せ物(クラウン)で治療します。
C4(末期のむし歯)
歯冠(歯ぐきの上に見えている歯)がほとんど溶かされて、歯根(根っこ)だけになった状態です。
神経が壊死しているので痛みはなくなりますが、歯根の先端に膿ができると激しく痛みだします。
治療方法
この段階までむし歯が進行してしまうと治療は難しく、抜歯が必要になることが多いです。抜歯後はブリッジや入れ歯、インプラントで機能を回復させます。
当院の根管治療の特徴
できるだけ歯を残すための根管治療
むし歯が進行して神経まで達した場合(C3のむし歯)、神経が通る管がむし歯菌によって汚染されているため、歯を削り被せ物(クラウン)を入れても中でむし歯菌が増殖してしまいます。こうなると何もしなくても激しい痛みが起こるようになります。
汚染された神経はやがて壊死しますが、そのままにしていると被せ物の中でむし歯が再発してしまいます。
そのむし歯の再発を防ぐために行うのが根管治療です。
歯の神経にまで達した重度のむし歯でも、根管治療により歯を残せる可能性があります。
根管治療用の器具
根管治療の成功率を高めるために、当院では次のような器具を使用しています。
ラバーダム
根管治療を行う歯を隔離し、治療中に唾液などから細菌が侵入するのを防ぐ器具です。衛生的な環境で治療することで、根管治療の成功率が高まります。
ニッケルチタンファイル
根管内を清掃する器具をファイルと言い、当院では柔軟性に優れたニッケルチタンファイルを使用しています。複雑な形状をしている根管内も、ニッケルチタンファイルを使うことで精密な処置が可能となります。
根管治療の種類
根管治療は「抜髄(ばつずい)」という治療と「感染根管治療(かんせんこんかんちりょう)」という治療の2つに分けられます。それぞれの違いは次の通りです。
抜髄(ばつずい)
むし歯菌に汚染された歯の神経(歯髄)を除去して、根管内を清掃・消毒した後、充填剤を詰めて再感染を防ぐ治療です。
感染根管治療(かんせんこんかんちりょう)
歯の神経を抜いたものの、再感染によるむし歯の再発などで根管内までむし歯菌が侵入し、膿が溜まってしまった際に行う治療です。詰め物や被せ物、土台などを取りのぞいた上で、根管内からむし歯菌に感染した歯髄を除去し、徹底的に根管内を掃除します。二次感染が起こらないように、消毒薬で細菌を減らし、隙間なく充填、最後に土台と被せ物をしっかりと接着させます。
根管治療の流れ
1診査・診断
歯科用CTなどを活用して根管内の状態を正確に診査・診断します。
事前の綿密な治療計画が治療成功のためには重要です。
2抜髄(歯の神経を除去)
局所麻酔して、根管内からむし歯菌に汚染された歯髄を除去します。
この時、取り残しがあると再感染の恐れがあるので、取り残しがないように精密に処置します。
3根管内を洗浄・消毒
抜髄した後、根管内を洗浄・消毒します。根管内は複雑な形状をしているため、柔軟性に優れたニッケルチタンファイルを使って隅々まできれいにしていきます。
4薬剤を充填
根管内に隙間なく充填剤を詰めていきます。この時、隙間があると再感染のリスクがあるので、緊密に充填します。
5土台を作り、被せ物を装着
大きく削った歯を支えるための土台(コア)を形成し、被せ物を装着させます。