実は海外では銀歯はもうありません。先進国で銀歯を入れるのは日本だけです。
今でも日本で主流である銀歯ですが、実は1951年に保険で金歯を使用する予定だったのが、国の財政状況により、急遽、工業で使えない余った金属を歯科に代用することで保険で銀歯を使用することになりました。
それから70年近く経ち、日本人の生活は豊かになり、健康に対する思考も大きく変わりました。この70年の間に歯科医療技術も大きく進歩しました。詰め物の接着技術が開発され、CAD/CAM技術が応用され、白いプラスチックやセラミックの詰め物が世界では主流になり、金属の詰め物は無くなりました。実はこれらの先端技術は日本で開発され、世界中の患者が恩恵を受けているのです。しかし、日本では未だ銀歯が主流で、残念ながら日本の最先端技術が日本の患者さんには応用されていません。例えてみると、スマホみたいなものでしょうか。スマホには日本の半導体と液晶の最先端技術が応用され世界中の人が恩恵を受けています。でも、日本では黒電話が主流で、みたいな。いま黒電話を使われてる方は少ないですよね。
実は私自身も以前は日本で患者さんに銀歯をたくさん入れさせて頂いていました。それが普通だと思っていました。しかし、海外の歯学部に留学したり、海外のクリニックで診療していて異変に気付いたのです。「銀歯がない!!」。海外の技工士さんは銀歯の作り方も知らなかったです。海外では銀歯は過去のものだったのです。黒電話みたいに。海外にいって自分が普通だと思ってたことが、異常だったと気づきました。
私は、自分の家族やスタッフに銀歯はいれません。銀歯には、ニッケル、パラジウム、銀なと体には有害な金属が含まれています。これらはアレルギーの原因にもなります。お口の中は水中なので、銀歯を入れた歯は、酸化濃淡電池と同じような状態になり、電流が流れお口の中にイオンが溶出します。また、金属と歯は接着しないので、数年のうちに細菌が漏洩し、二次むし歯になり再治療を余儀なくされます。銀歯の下で歯が二次むし歯になると、銀歯は外れてきます。患者さんは、銀歯が外れても何年に一回のことなので、その深刻さには気づきません。でも、私達歯科関係者にとっては、日本で診療していると毎日銀歯が外れた、差し歯が外れたという患者さんばかりです。日本の歯科治療の2/3は再治療なのです。歯は三回再治療を行うと抜歯になると言われています。
実は銀歯を入れることから、何十年かけて歯を失ってしまう悪いサイクルが始まってしまうのです。日本で開発された接着技術や、CADCAM技術を応用したセラミック修復をすることにより、歯を失ってしまう悪いサイクルから脱却し、患者さんの歯を守ってあげることができるのです。と、わかってはいるのですが…。
私達は医療者ですから、この事実を説明する義務があるので、患者さんに説明はします。が、上手く伝わらなくて、「セラミックを勧められた!、あの歯医者は儲け主義だ!」と思われてしまうこともあり、悲しくなることもあります。 金と銀はメダルでは嬉しいですが、体には埋め込みたくはありませんよね。
診療時間に私達のこの思いを伝える時間がなかなか取れないので、この紙面に替えてお伝えしています。
自分の歯を永く使いたい、守っていきたい、セラミック修復についてもっと聞きたい、という方は、どうぞ遠慮なく私達にお尋ね下さい。
あなたの歯を守るために私達は情報と技術をご提供致します。